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ワインが好き(続き)=Mouton-Rothchild

2007-10-05

先日、このコラムに「ワインが好き。」というタイトルでワインのエチケット(ラベル)蒐集について書きましたが、その続編です。

フランスの赤ワインは、ボルドー地区の5大シャトーが最高格付けを得ていることで有名です。それらの中に、毎年著名な芸術家の絵でラベルが飾られる「シャトー・ムートン・ロートシルト」があります。ラベル画は、ムートンの紋章である羊や葡萄、ワインを題材とし、ピカソやシャガールといった個性溢れる巨匠たちによって描かれてきました。

ムートン・ロートシルトのラベルに毎年有名画家の絵が使われるようになったのは、1945年の第2次世界大戦終了の年からです。第1作目は、フランス画家のフィリップ・ジュリアンが戦争終了を祝い「Vマーク」をつけて制作されました。 その後、1973年にムートン・ロートシルトは5番目の第1特別級(グラン・クリュー)の称号を得たわけですが、この年の記念ラベルには画家パブロ・ピカソの絵が登場します。偶然にも1973年は私が生まれた年ですが、私は残念ながらこの年のムートン・ロートシルトはまだ飲んだ経験がありません。機会を見て、特別の記念日なんかに飲んでみたいと思っております。

毎年変わるムートン・ロートシルトのラベルには、シャガール、ミロやウォーホールなどの有名画家の他、日本人では堂本尚朗とセツコ・バルテュス(旧姓:出田節子)の二人が使われております。ワインのラベルアートの世界に新機軸を導入したムートン・ロートシルトのラベルは、コレクターアイテムとしても親しまれています。

1970 マルク・シャガール

1973 パブロ・ピカソ(グラン・クリューの記念ラベル)

1989 ゲオルク・バゼリック(東西ドイツ統一の記念ラベル)