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雨を描く

2016-07-01

梅雨らしいと言えばそうなのですが、先週から長崎地方は豪雨に見舞われていて、少しの間屋外に出てもびしょ濡れになってしまいます。

日常生活では、雨は鬱陶しく感じますが、絵画に描かれた雨の作品を見ると情緒があって不思議に心の落ちつきさえも感じられます。

浮世絵では広重の雨模様の表現は他に類を見ないほど素晴らしく、東海道五十三次の「庄野」や名所江戸百景 の「大はしあたけの夕立」など、雨の景色の代表作として、直ぐにタイトル名が出てきます。

近年の木版画では、私がみた限りの中ではありますが雨景色を雨らしく描いたものが少なく思われ、日本の伝統文化である浮世絵の素晴らしさをこのようなところにも感じています。(N)