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シャガールのステンドグラス

2007-10-29

先日、シャガールの天井画について書きましたが、チューリッヒのフラウミュンスター教会内にはシャガール作のステンドグラスがあります。

スイス最大の都市チューリッヒは、チューリッヒ湖畔に面する静かな落ち着いた街で、経済、商業、金融、そして文化や芸術の中心であります。ヨーロッパらしい建物や世界のブランドショップが立ち並び、大学や美術館もある、都会と自然が調和した中世の魅力をたたえる緑園都市です。

フラウミュンスター教会は、チューリッヒ湖に注ぐリマト川の川沿いに建つ教会です。12世紀から15世紀にかけて建てられたゴシック様式の代表的建造物で、澄み切った青空に時計台の緑色の尖塔が、天空高く、一際目立ってそびえたっています。

聖堂内部の礼拝室の壁にある高さ十メートル近くにもなる、三面の細長いステンドグラスと、上部の丸いステンドグラスがシャガールのステンドグラスです。左の胸に幼子を抱いたマリア、十字の柱に磔にされたキリストと彼の死をいたむ群集の姿などが、青・黄・緑色を基調に描かれています。ステンドグラスからは、きらきらと優しい光が控え目に差し込み、それを眺めていると、教会の厳粛とした雰囲気と相まって荘厳な気持ちになりました。

シャガールのステンドグラスは、見ている人の心を、優しい夢見心地にさせてくれます。