川瀬巴水の「錦帯橋之春宵」
2009-03-14
先週から美術館前庭の陽光桜も開花を始め、やがて満開に向かう毎日の変化を楽しみに観賞しています。 当館の次回特別企画展に予定している川瀬巴水の作品に「錦帯橋之春宵」があります。
錦帯橋は江戸時代より日本三名橋と呼ばれ、多くのアーティストが題材として取上げています。 巴水の「錦帯橋之春宵」は、橋と日本人がこよなく愛する桜を組合せ、桜を前景に錦帯橋を描き、その橋下を流れる清流の錦川、その川に小舟を操る人物を置き、青々と連なる城山を背景とした観る者の誰もが旅情をそそられ惹きつけられる魅力ある作品です。
この春の美しい景色が永遠に続きそうな感じを与える本作品は、巴水の「静と美」の代表的な作品の一つと言えるでしょう。