一心行の大桜
臥牛窯の抹茶碗やぐい呑みに描かれた“一心行の大桜”の見事さに感動していた私たちは、今年こそは本物を見に行こうと計画し熊本市内での用事を桜の開花時季に合わせ、昨日、両親と熊本へ出かけました。
諫早から熊本へと走る高速道路から見える山々にも、山桜や吉野桜などの白色や桃色が所々に混じって春の陽気が深まる中、お昼過ぎに熊本市内へ着きました。
美術館の作品の額装でお世話になっている額装店の新店舗開店のお祝いと10数点の額装の打ち合わせを済ませた後、遅めの昼食を摂り南阿蘇を目指しました。
途中、阿蘇の壮大な自然や大きな風車が何基も林立しているのを写真に収めながら、市内から約40分ほどで「一心行の大桜」です。
今年は全国的に桜の開花が早いとの情報ですが、一心行の大桜の入口には「咲き始め」の案内板が出ていました。ピンク色とイメージしていた花びらは白色でしたが、大木の桜に近づいてみると五分咲き位の花びらもあり、木の下を歩くと桜に埋もるような気分になりました。残念ながら、数年前の台風・雷の影響で中央の幹が折れて天辺が窪んだ形になっていましたが、その大きさはかなりのものでした。
桜の説明板には、この桜は今から440年程前、島津氏との戦いに敗れた峯伯耆守惟冬の菩提樹として植えられたもので、惟冬の妻子が御霊を弔うために一心に行をおさめたことより「一心行」の名が付いた、と書いてあります。
少し早目のお花見でしたが、観光客もほどほどにありタコ焼きや植木などの出店の準備も進められていて、今週末が花の見頃となるようです。両親と共に楽しみにしていた桜見ができて感傷的になったのか、説明板を読んだせいか、少しもの悲しい気持ちにもなりました。
阿蘇の大自然
大きな風車
一心行の桜と菜の花
大木の花びら