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風の丘 阿蘇・大野勝彦美術館へ

2009-03-25

一心行の桜から車を走らせること20分、次の目的地である阿蘇くじゅう国立公園の中央にある「風の丘 阿蘇・大野勝彦美術館」へ到着しました。

現在65歳の大野勝彦さんは、高校卒業後から農業を営んでいましたが、45歳の時に農業機械に巻き込まれ両手を切断する大事故に遭いました。事故から3日目には、自分にはこれしか出来ないと思い、腕に筆ペンをくくりつけて字を書き始めたそうです。退院後は、「腕は無くとも足はある」との根性で、旅に出て絵手紙を描く毎日を送ります。それまで詩を詠んだこともなければ絵も描いたことのなかった大野さんですが、両手を失った大野さんを励まして下さった方々への感謝の気持ちを詩画を通して表現されるようになります。

そうして、美術館を建てたいとの一念から平成15年に熊本県・阿蘇の保養地跡に美術館を開館されました。また、これに留まらずその後、大分県と北海道にも美術館を建てられています。

以前に、大野さんと知人の結婚式で面識があった両親は、その際に自分たちも個人美術館を建てたい夢を持っているという話をしていたそうです。この日、都合よく在館されていた大野さんに、父は雲仙市愛野展望台に美術館を開館できたことを報告しました。大野さんも是非行ってみたいと応えてくださいました。私は、大野さんの詩画集「夢は叶うもの 思い強ければ」にサインしてもらいました。

大野さんは両手を失くして気づいた人の優しさを、詩と絵と美術館に託してメッセージを送られています。大野さんの詩と絵には大野さんの温かい心がいっぱい詰まっていて、私たちの琴線に強く訴えてきます。

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大野さんに書いて頂いたサイン