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燕子花の一種活け

2018-07-05

菖蒲にあやめ、燕子花にアイリスは似ている植物として良く比較されますが、華道の稽古を通して違いがはっきりと分かるようになりました。

あやめとアイリスは一種活けには用いませんが、池坊華道の7種伝という特別の活け方の中に菖蒲と燕子花が入っています。

菖蒲の時期は年に一度ですが、燕子花は花が咲かない冬以外、いつでも活ける事ができます。しかし、池坊では出生の美を大切にしますので、季節によって花の高低差を変えます。今は夏ですので、葉より花を高く配置します。菖蒲は男性、燕子花は女性に比喩されるように燕子花は柔らかいイメージで曲を出します。

これこそ「お生花(しょうか)」の美しさの極みです。(N)