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「巴水が描いた九州の風景版画展」開催中

2009-04-28

今日から2009特別企画展第2弾「巴水が描いた九州の風景版画展」(~6/28まで)を開催しております。

昭和の広重と称され、近年国内でも爆発的な人気を集める川瀬巴水。既に欧米では、北斎・広重と同格の高い評価を受けており、オランダのアムステルダムでは巴水の版画作品の全613点の図録と作品データやテキストによる「カタログレゾネ」が刊行(2002年)されるほどです。

新版画の風景画を代表する巴水は、明治・大正・昭和の激動の三時代を生きた版画家です。西洋文化が高く評価された時代の中で、巴水は日本的なものを好み日本文化や時代が育んだ国内の自然豊かな美しい風景や風物を、人々の目の代表となって写し取り描いたと語り継がれています。

澄んだ色彩、美しさの中にあるもの悲しさ、時が止まったような静寂の世界、巴水の作品は観るものの気持ちを優しく包み込むような気がします。

このような巴水が描いた「肥前雲仙嶽」を始めとした九州の風景版画13点と、「肥前雲仙嶽」制作に使用した版木7枚1組(両面使用)を展示しております。巴水の版木は、関東大震災で多大な被害を受けてその多くが燃失し、現存する版木は大変貴重なものです。またとないこの機会に、巴水の版木もご覧下さい。

皆様のご来館をお待ちいたしております。

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