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山陰地方旅行二日目 ①足立美術館

2019-03-01

二日目はJRで鳥取から島根県へ移動し、今回一番楽しみにしていた足立美術館へ向かいました。

安来駅で下車すると駅構内には「どじょうすくい」の衣装を身にまとった大人や子どもたち数名が賑やかに出迎えをしてくれました。聞いてみると、毎週日曜日だけ安来節で有名な場所としてこのようなサービスを行っているそうです。

駅から美術館までは満席の無料シャトルバスに乗り約20分で到着です。駐車場から入口までの歩道脇には島根の名産を取り扱うお土産品店がずらりと立ち並び、一つの観光名所となっていることが分かります。

館内は動線がとても上手く出来ていて、庭園を見て一つの展示室に入り、出ると違う角度から庭園を見ることができ、次の展示室に入るようになっています。枯山水庭、苔庭、窓枠を額縁に見立てて庭を眺めることが出来る「生の額絵」など、そのどこを見ても隅々まで手入れが行き届き、冬なのに青々とした木々がとても美しく、流石、世界が認めた日本一の庭園だと思いました。

開催中の特別企画展は「生誕135年孤高の画家 橋本関雪展」で、屏風や掛け軸など動物画を中心とした作品を鑑賞しました。大観室では「生誕150年 横山大観の芸術IV」が開催中で、大観を代表する「龍踊る」や「白砂青松」などの迫力ある作品を見ることができました。陶芸館には北大路魯山人や河井寛次郎の作品があり、創設者の足立全康さんのコレクションのすごさに圧巻です。

箱モノの中で美術品を鑑賞する一般の美術館とは違い、全康さんが遺した言葉「庭園もまた一幅の絵画である」のように自然と絵画が調和した独自の美術館は、新しい形の美術館として地域も巻き込んで発展していました。

日本を代表する美術館を訪れることができ、コレクションも庭園も規模も全く違いますが、私の今後の美術館運営の何かのヒントになってくれると良いなあと思いながら、次の目的地、松江城へ向かいました。(N)

 

   
 枯山水庭  苔庭
   
 生の額絵  創設者「足立全康」さんの銅像