山形欣哉海洋画
2009-05-16
造船技術史研究家の山形欣哉先生は、大学の講師をしながら専門研究分野の帆船を中心とした海洋画を描かれており、それらは高く評価されています。先生は、数年前にはNHK大河ドラマの船舶監修にも当たられました。
18世紀初頭の中国船を描いた「順風相送」、ダニエル・デフォーの小説でも有名な1704年の実話に基づいた「離船するロビンソン・クルーソー」、18世紀の長崎の港の様子を描いた「崎陽正月」など、世界の海で活躍した歴史上の帆船を現存する図面や資料を基に忠実に描かれています。
先生にどのようにして描かれるかお聞きしたところ、ハンドフリーで原寸サイズを忠実に縮小し、その当時その時の天候や風向きなども考慮して帆の膨らみ方や波の揺らめきなどまで計算して描いているとのことでした。
水彩で描かれた海洋画は、大海原のブルーに真っ白な帆のコントラストが美しく、海と空に映えた帆船は生き生きと息づき、観る者を遠く歴史とロマンの彼方へ導いてくれます。
順風相送
パゴダ・ベイ