損保ジャパン東郷青児美術館 岸田劉生展
2009-06-08
次に、損保ジャパン東郷青児美術館で開催中の「没後80年 岸田劉生-肖像画を越えて」を鑑賞しました。
劉生は、黒田清輝に西洋画を学び、ゴッホやセザンヌといった後期印象派に傾倒していきます。しかし、次第に自己表現としての絵画を目指し夥しい数の自画像と友人・知人を捉まえては肖像画を描き、友人たちからは「岸田の首狩り」とまで言われたそうです。
また、愛娘・麗子を繰り返し描いた劉生は、人間の顔ほど興味深いものはなく人間の顔を描くことで近代的な自己の美の表現を模索構築していったようです。
肖像画約80点を通じて、徐々に古典的な写実の道を辿っていることが分かり、劉生ならではの個性ある写実表現の作品群は、筆先から伝わる友情や子供を思う親心に満ちていました。
劉生作品の他にも、私の二度目の対面となる常設展示のゴッホの「ひまわり」、セザンヌや東郷青児の作品を観ることができました。
自画像 1914年
自画像 1921年
麗子肖像(麗子五歳之像) 1918年
二人麗子図(童女飾髪図) 1922年
麗子十六歳之像 1927年