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長崎市立図書館から長崎県美術館へ!

2008-01-10

先日の休館日は、長崎市内へ出かけました。

最初、5日にオープンした「長崎市立図書館」を見学しました。県内最大規模の図書館はガラス張りのモダンな作りで、建物内に自然光が差し込み明るい雰囲気でゆったりと過ごせるようになっています。が、図書の貸出しは長崎市内在住者若しくは市内勤務者にしかできないとのことで、残念に思いました。

長崎市立図書館 外観

長崎市立図書館 館内の様子

それから、長崎県美術館へ回りました。今回は常設展示室で開催中の「美人画―栗原玉葉」(~14日まで)を観るのが第一の目的でした。栗原玉葉は、山本美術館の在る隣町の雲仙市吾妻町出身で、大正時代に活躍した日本画家です。40年という短い生涯だった玉葉の作品は、私はこれまで一度も観たことがなかったので、是非この機会にと思っていました。玉葉の美人画作品を観ていると、少女たちの柔らかで無邪気な様子、女性の強さや母としての愛情などが伝わってくるのを感じます。玉葉は晩年には狂おしいほどの感情を秘めた女性の姿も描いています。この部屋には80号くらいの大作も展示されてあり、室内に広がる美人画の群像が、特異な雰囲気を醸し出していました。その後、企画展の「日本近代洋画への道-山岡コレクションを中心に」(~2月20日まで)を鑑賞しました。ヤンマーの創始者である山岡さんが蒐集したコレクションの数々を中心に展示されていました。なかでも、高橋由一の「鮭図」は有名な作品で、板に描かれた鮭は本物と間違い猫が飛びついたといった話さえあります。その他に黒田清輝や青木茂、珍しいと思ったものでは小林清親の硝子絵があり、大満足の展覧会でした。

栗原玉葉 「春秋美人図」

高橋由一「鮭図」(図録表紙より)

鑑賞を終えて館外に出ると、消防出初め式に参加する関係者や見学者などで水辺の森公園近辺は大変な賑わいでした。

出初め式の賑わい

優れた作品を観ると、一時の間、いや結構長い時間、気持ちが高揚したままです。華やいだ気持ちになりパワーが沸いてきます。そんな感情を落ち着かせつつ帰路に着きました。