北斎の風景画(3)
2009-06-29
富嶽三十六景を発表した翌年(1833年)に、8枚シリーズの「諸国滝廻り」を発表します。
これは、北斎が様々に変化する水流の形態を捉えた不可思議なもので、シリーズの中でも特に「木曾路ノ奥阿彌陀ヶ滝」は、実際の景色を遥かに超えたものを描いています。
「下野黒髪山きりふりの滝」は、シリーズ中最も水の流れの描写に動きがあります。
滝をデフォルメさせるだけではなく、先鋭的な風景描写で意表を突く大胆な風景画は、観る物を北斎の世界観へと引きずり込みます。
「木曾路ノ奥阿彌陀ヶ滝」日本浮世絵博物館蔵
「下野黒髪山きりふりの滝」日本浮世絵博物館蔵