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広重の風景画(1)

2009-07-10

北斎が「富嶽三十六景」を発表した天保2(1831)年、広重は「東都名所」10枚シリーズを発表し、その2年後には保永堂版「東海道五十三次」が刊行され、広重を代表する作品となりました。

「東海道五十三次」は、出発地の日本橋と到着地の京都を合わせた55作品のシリーズで、当時の旅ブームに乗って旅に出なくとも各地の景色や産物を知るガイドブック的な要素となり、大人気作品となりました。

広重は、風景をそのまま切り取ったように描いたと伝えられていますが、見たままの風景をよりリアルに、対象の雰囲気をより分かりやすく表現しています。

このシリーズを観ていると、広重と東海道を供に歩いている気分になれます。

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保永堂版「東海道五十三次 日本橋」  太田記念美術館蔵

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保永堂版「東海道五十三次 庄野」  太田記念美術館蔵