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浮世絵の語源

2009-08-01

浮世絵の語源は、「憂世」にあると言われています。仏教の浄土に対して現世は憂世、すなわち辛く儚い憂う世であると考えられていました。江戸時代になると、どうせ憂う世であるのなら、楽しく浮かれて暮らそうという開き直りの考えが生まれ「浮世」に変化していきました。

「浮世」という言葉自体は1680年頃に「浮世○○」という新語として登場しています。例えば、洒落た新しい被り物を「浮世傘」とか、流行に乗る男性や女性を「浮世男」「浮世女」とか、吉原などの遊里に遊びに行くような人を「浮世狂い」などと呼んでいました。そのような流行語と同義語である浮世という言葉を頭につけて新しい江戸の町から生まれた新しい文化の絵ということで、「浮世絵」という言葉が誕生しました。