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浮世絵タイムカプセル/写楽の肉筆画

2009-08-08

2007年、ギリシャ・コルフ島の東洋美術館で写楽の肉筆画が発見されたとのニュースが浮世絵界に持たされました。写楽の肉筆画は稀有なもので、真贋の見極めは困難でしたが研究の結果真作と確定されました。

この肉筆画は、日本美術コレクターの元ギリシャ大使グレゴリオス・マノスが、1世紀前に蒐集した浮世絵コレクションおよそ1600点の中の一作品で、全コレクション作品がギリシャ国家へ寄贈され静かに保管されていました。これらの中には、新出作品である鈴木春重(司馬江漢)の「朝顔」や、6枚続きの状態で確認されたのは初めてとなる喜多川歌麿の「風流六玉川」など、注目すべき作品がたくさん含まれています。いずれも鮮明な色彩を保ったままの素晴らしい状態で保存されてあるとのことです。

そのマノスコレクションから、現在江戸東京博物館で展覧会「写楽 幻の肉筆画 ギリシャに眠る日本美術~マノスコレクションより」が開催中(~9月4日まで)です。浮世絵タイムカプセルの封印が解かれ、私たちに鑑賞の機会を与えてくれています。

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東洲斎写楽 「四代目松本幸四郎の加古川本蔵と松本米三郎の小浪」

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鈴木春重(司馬江漢) 「朝顔」