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平塚運一と田川憲の関係

2009-09-01

今日から2009年の特別企画展第4弾「平塚運一と田川憲展」(~10月25日)を開催致します。

広重の浮世絵から一転、創作版画家二人が描いた長崎の風景など12点を展示しております。

平塚運一は、102歳で亡くなるまで精力的に創作活動を続け、棟方志功など多くの後進を育てました。また、版画制作の傍ら版画教育にも大きく貢献し、木版画制作技術の指導書の著述や全国で版画講習会を開き、長崎にも戦前・戦後に渡って4回ほど訪れています。

昭和9年長崎では田川憲を中心とした「版画長崎の会」が発足し、版画熱が高まっていました。そのような中で昭和10年、長崎を訪れた平塚運一は磨屋小学校で版画講習会を開き、田川憲は受講生として木口版画の制作方法などを習ったといいます。平塚運一の影響を深く受け、長崎の版画会をリードした田川憲。彼の技量は長崎随一と言われ、居留地時代の面影が残る長崎各地の風景などを数多く描きました。

師弟関係の二人の長崎の風景版画を観ることが出来る企画展です。多くの皆様にご鑑賞いただきたいと思います。

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昭和10年8月磨屋小学校で開催された平塚運一の版画講習会(「長崎を描いた画家たち」(上)より)

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平塚運一(1982年撮影、「版画の国日本」より)