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世界最古の版画

2009-09-30

世界最古の木版摺物は、慶州・仏国寺石造釈迦塔の納入品として発見された「無垢淨光大陀羅尼経」で、751年以前の制作と推定されていて制作地も不明です。制作年の確実な最古の木版摺物は、日本の「百万塔陀羅尼」で770年頃の作品で、このどちらも経文です。

木版による画として最古のものは中国・成都から発見された「陀羅尼経咒」で、中央に仏像が描かれ、それを取り囲むように咒経と咒文が刻まれていて8世紀頃に制作されたものです。

このように、中国と日本で始まった版画技術は聖典や宗教画で、宗教の流布に大きく関わり発展していきます。