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ヨーロッパ版画の最初期

2009-10-24

木版画から始まったヨーロッパ版画の最初の頃は、キリスト教を主題としたものが多く、版画が広まった背景には東洋版画の歴史同様に宗教と深く関わりがありました。

比較的大きな画面(約30cm角)の木版画は、金属や木の彫刻などの礼拝像の代用品として巡礼地や市などで販売されていたようです。安く入手できる上に持ち運びも便利という利点がありました。また、守り札に利用されたと推測される小型木版画は大量に摺られており、写本に貼られたものが発見されるというケースが多くあります。

木版に手彩色の初期の版画は素朴でありながらどこかメルヘンチックです。

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コンラート・ディンクムート「魂の庭」1483年

 町田市立国際版画美術館蔵