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西洋銅版画の起源

2009-10-29

ヨーロッパで最初に銅版画が制作されたのは15世紀初めで、鋭い刃物で銅版を彫り込んでいく直彫技法から始まりました。

銅版画作品は最初の時期からイニシャル入りで作者名が明記されていますが、これは金や銀製の装飾具や武具の装飾を行う職人たちが銅版画を手掛けたことに関係があります。

また、ヨーロッパ初期の木版画と比べるとより宗教色が現れてきて、新たな版画時代の幕開けを告げるように細部にわたり繊細な彫りで情景描写や愛らしい人物表現など絵画性が高い仕上がりになっています。

現在最もポピュラーな銅版画技法であるエッチング(腐食法)は、その後16世紀に登場しています。

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マルティン・ショーンガウアー「キリスト降誕」

1471~73年頃 国立西洋美術館蔵

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ダニエル・ホプファー「壁龕の中の磔刑像」

1510年頃 町田市立国際版画美術館蔵