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国内抽象画の始まりは木版画

2009-11-27

世界で最初に抽象画を意図的に制作したのは、ワリシー・カンディンスキー(1866~1944年、ロシア出身の画家)で1910年のことだったと言われています。

一方、日本で最初の抽象画作品と目されているのは、1915年雑誌「月映」に発表された「あかるい時」です。制作者は木版画家の恩地孝四郎で、具象的なものを取り去って内的な感情を木版で表現しました。

その後、時代の風潮に合わせて内的表現から社会性を重視した即物的な抽象画へと移行していきます。

抽象画と言うと油絵のイメージが強いのですが、木版画から始まったとは驚きです。

1259292726_img082恩地孝四郎 「あかるい時」 1915年