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画家とモチーフ

2009-12-22

伊藤若冲は鶏、東山魁夷は山と白馬、中島千波は桜、身近なところで小﨑侃先生はふくろうと地蔵さんと言ったように、芸術家はそれぞれ得意とするモチーフを持っています。

草間彌生(1929年長野県生まれ)は、生活に身近で誰しもが親近感を覚えるモチーフを描き続けている版画家ですが、その中でもかぼちゃに魅せられ、現在までに100点近い版画を描いているそうです。彼女は「同じ対象を繰り返し描くことは美術造形への追求だ」と話しています。

一つの対象を描いた数だけ、対象は変化し発展し続けていきます。何枚も摺れる版画の特性でもって一つの対象を飽きることなく制作し続けること、これが画家のモチーフへの強い憧れと共に人々を魅了し続ける要因となっています。

1261453160_img171-1草間彌生「こんにちは」 1989年

1261453160_img170草間彌生「CITROUILLES Verte」 2006年