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オランダ旅行記-(9) アンネ・フランクの家と西教会

2010-01-13

アンネ・フランクの家は、第二次世界大戦中にナチスによるユダヤ人迫害の犠牲となったアンネ一家が、父親が経営する会社の屋根裏に2年間にわたり隠れ住んだ家で、1960年に博物館としてオープンしました。世界中から訪問する人々が後を絶たず、当日も入場制限のため入館するまで1時間ほど列に並びました。

アンネは13~14歳をこの隠れ家で過ごしたわけですが、屋根裏へ続くオランダ特有の急な階段を隠した回転式の本棚、食事の部屋、洗面所、そしてアンネの部屋の壁に残る映画雑誌のピンナップなど、当時の隠れ家の生々しい生活の現場に胸をつかれました。

声を潜め息を押し殺したように過ごした2年間、アンネは日々の記録を綴りました。戦後、生き残った父親・オットーにより出版された「アンネの日記」は、現在では65ヶ国語以上に翻訳されています。第二次世界大戦、反ユダヤ主義や差別問題などを子供たちに分かりやすく伝える生の体験記録で教材としても使用されています。私も、父が姉の誕生日にプレゼントしたアンネの日記を借りて涙しながら何度も読み返した記憶があります。

アンネの家の隣に建つ西教会は、オランダ黄金期の17世紀を代表する建造物でアムステルダムでもっとも高い85mの塔があります。50個のカリヨンが時報を奏でていて、アンネも隠れ家で聴いていたそうです。教会前にはアンネの銅像が建ち、レン・ブラントが埋葬されています。ここは開館時間を過ぎていたため、残念ながら外観を眺めるだけとなりました。

人権を守り、人々がともに平和に生きる世界を創っていく重要性を再認識しました。

28日の日程はこれで終りです。少々遅めの夕食にホテル近くのオイスターバーに出かけ、近海で取れた様々な種類のオイスターと白ワインを美味しく頂き、一日の心地よい疲れが癒され大満足でした。

(今朝のネットニュースでは、「アンネ・フランクの日記」を保管していたミープ・ヒースさん(100歳)が死去したことが11日に分かった、と報じられています)

1263339681_DVC00046アンネの家(父親の会社事務所だった建物)と、入館を待つ人々

1263339681_img195隠れ家の入口 回転式の本棚(パンフレットより)1263339681_img196

赤い革のアンネの日記の実物(パンフレットより)

1263339681_CIMG7611-1アンネの家の隣の西教会