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オランダ旅行記-(18) カナルクルーズ

2010-01-24

オランダ滞在最終日の早朝、カーテンを開け外を眺めるとアムステルダムの街一面は美しい雪景色へ変わっていました。

今日の最初の予定はカナルクルーズ。雪が舞う寒々とした空の下、耳当て、マフラー、手袋にダウンジャケットの防寒フル装備で、慣れない雪道に苦戦しながら遊覧船発着地の中央駅へ向いました。この中央駅は東京駅のモデルにもなった赤レンガ作りの堂々とした駅舎です。運河は中央駅を中心として同心円状に張り廻っています。余談ですが、この国のスキポール空港は成田第一空港のモデルになったとのこと、日本の近代化にオランダが大きく関わっていることがわかります。

年末この時期は、世界各国からオランダを訪れた観光客でガラス屋根の遊覧船の中も満員状態。様々な言葉が行き交い、寒さを吹き飛ばすような熱気で溢れています。オランダ語と英語の自動アナウンス付きで約一時間の船による小さな旅の始まりです。

まず、北海へと続く「アイ湾」へ。しばらく走ると左手には「オランダ海洋博物館」、そして船の形をした「ニューメトロポリス」と呼ばれる科学技術センターが目に入ります。広々とした海を走るのはここまでで、ランドマーク的なムント塔が見えてくる頃には細い運河へ入っていました。

オランダの国土の3割が海面より低いため、運河を張り巡らせて干拓地から余分な水をくみ出し水害を防いでいるそうですが、水と闘い続けてきたオランダにとって運河は生命線であり、また独特の美しい風景を生み出しています。

アムステルダムの運河のほとんどが15~16世紀に作られたもので、全長は100km近くにおよび約2千もの橋が架かっているそうです。アムステルダムには有名なモニュメントは少ないけれど、運河の両脇を囲む建物とその景色が一番の見所で誇りであり、建物のファザードに意匠を凝らし切り屋根の形を様々にデコレーションして美しい街並みを作り上げているとのアナウンスに、なるほどと納得です。 また、運河には「ハウスボート」と言われる停泊させた船内で暮らす人々がいます。用済みになった運搬船を利用したハウスボートで生活するには係留許可が必要で、最大2万隻以内と制限されているそうです。しかし、許可を得ると普通の家と同様に電気や上水道が引かれ郵便も届きます。

切り屋根の家々や美しい橋の数々、人々の暮らしも垣間見られるのんびりとした船旅に雪景色が風情を添えてくれました。

1264294238_CIMG7690-1船内から見た中央駅

1264294238_CIMG7694-1ニューメトロポリス

1264294238_CIMG7697-1ムント塔

1264294238_CIMG7699-1様々な形の屋根のファザード

DVC00154.JPGハウスボートが並ぶ