山本美術館

愛野展望台と千々石海岸

この度、一部を立ち入り禁止にして行われていた愛野展望台の改修補強工事が終わりリニューアルされました。以前からドライブ休憩の場所として親しまれている展望台には、昭和天皇も訪れになり展望されたそうですが、最近では島原半島ジオパークの一つ「千々石断層」の上に立つ展望台としても注目されています。

ここからは、普賢岳や小浜方面、天草や長崎半島、そして足元には千々石町の緩やかなカーブを描く砂浜の海岸などを見渡すことができます。

私には千々石海岸を見て思い出すことがあります。中学生の時、陸上部で走り幅跳びの選手だった私は、土日になると足腰の鍛錬に父と一緒に海岸線砂浜の往復約4キロを走っていました。小浜寄りの岸辺から父と同時に走り始めますが、Ｕターン地点ではかなり離されてしまいます。先行する父の背中を見ながら、いつの日かは追い越したいと思っていましたが結局一度も勝ったことはありませんでした。また、ある日一人で走っていると、海岸を駆け回っていた野犬に追いかけられたことがあり、私は必死になって逃げました。後で、その様子を防波堤から見ていたおじさんから“逃げるから追いかけられるんだよ”と大笑いされました。小さな思い出話しですが、その後は二度と一人では走りに行けなくなり、また犬も苦手になりました。

この時季の晴れ渡った日、美術館から青い色に輝く海を眺めていると何か心が和んできます。

整地された愛野展望台

千々石の海岸（2008年撮影）