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平城京遷都1300年観光旅行(4) 法隆寺

2010-05-14

2日目は、仏教文化の花開いた斑鳩の地へ出発です。

最初は法隆寺。推古天皇と聖徳太子が607年に建立した寺院として伝わり、1993年にはユネスコの世界文化遺産に日本で初めて登録されました。

南大門から境内に入り、左右の金剛力士像が一際目立つ中門を抜けると飛鳥文化を代表する建造物の金堂とその西側に五重塔が見えてきます。金堂は現存最古の木造建築で、聖徳太子のために造られた金銅釈迦三尊像(国宝 飛鳥時代)などの仏像が1400年の時を経て静かに安置されていました。また天井には、天人と鳳凰が飛び交う姿が描かれた天蓋が吊され、周囲の壁には壁画が描かれています。この壁画は昭和24年の火災で焼損した原画に代わり、平山郁夫さんら著名画家たちが描いた再現作品です。焼損前の美しさを十分に醸し出しているようでした。

それから1998年にできた大宝蔵院・百済観音堂には身長2mもある珍しい八頭身の木造の百済観音像を始め、玉虫厨子、夢違観音像、伝橘夫人念仏と厨子など飛鳥時代を中心とした国宝がぎっしりと詰まっていて、ここをゆっくり見ていると時間が経つのを忘れてしまいそうになりました。

これらの建物群を中心とするのが西院伽藍で、ここから東に400mほど歩くと夢殿を中心とした東院伽藍に着きます。八角円堂の夢殿の本尊は救世観音像(国宝 飛鳥時代)で、聖徳太子等身と伝わる秘仏です。運よく年2回の公開期に当たり、厨子が開かれた金網越しに対面できた救世観音像は煌びやかな冠をかぶり、金堂の像よりやや人間の表情に近い微笑みの美しさをみることができました。

広大な境内の法隆寺は国宝・重文に指定されているものだけでも2300点に及ぶと言われ、聖徳太子の教えと、1400年も昔の飛鳥時代の姿を今に伝えています。

1273833232_CIMG9513-1法隆寺の金堂と五重塔

1273833232_img311金堂内部(パンフレットより)

1273833232_CIMG9527-1東院伽藍の夢殿