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平城京遷都1300年観光旅行(7) 薬師寺

2010-05-19

午後からは、西ノ京の寺院めぐりです。

まず、薬師寺。ここは680年、天武天皇が皇后(後の持統天皇)の病気平癒を祈願して建立を発願したと伝えられ、南都七大寺の一つとして栄えました。壮大な敷地は白鳳伽藍と玄奘三蔵院伽藍に分かれており、他の奈良のお寺と大きく違うのは伽藍全体の新しさです。それは何度も兵火や天災に遭い東塔以外の堂宇が焼失し、昭和後期から金堂、西塔、中門や大講堂などが次々に再建されたためです。

白鳳伽藍の金堂に安置されている薬師三尊像の薬師如来坐像、日光、月光(いずれも国宝 白鳳時代)は、白鳳・天平期の仏教美術の最高傑作の一つと言われています。薬師如来の男性的な体つきは太く落ち着きがあり人間的な匂いを持ち自然体です。台座の四方の下部には、青龍(東)、朱雀(南)、白虎(西)、玄武(北)の四神が刻まれています。一方、東院堂の聖観音菩薩立像(国宝 白鳳時代)は、すらりとした体型に気品漂う端麗な顔立ちをしていて人間離れした崇高さが漂っていました。同時期に造られ、同じ寺院内にある仏像にこれほどまでの違いを感じられることが不思議でした。

玄奘三蔵院伽藍の玄奘塔には三蔵法師の骨頂が安置されてあり、大唐西域壁画殿には平山郁夫さんが30年の歳月をかけて描いた「大唐西域壁画」が納められていました。

現在に蘇った白鳳様式の大伽藍から過去~現在~未来の姿をうかがい知ることができ、白鳳・天平時代の文化芸術を堪能できました。

1274261837_img321薬師寺(パンフレットより)1274261837_untitled-24-1

1274261837_img322玄奘三蔵院伽藍の大唐西域壁画殿

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 白鳳伽藍の金堂と東塔を背景に

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