山本美術館 > ブログ > 七夕

七夕

2010-07-07

今日は七夕。

天の川に隔てられた彦星(牽牛星)と織姫(織女星)が一年に一度だけ会うことができるとのお話に胸をときめかせ、幼少の頃は願い事を書いた短冊を笹飾りに結びお祝いをしました。

浮世絵に七夕の様子が描かれ始めたのは江戸後期頃で、旧暦の七夕は初秋のため、秋を代表する情景として取り上げられています。広重の作品「名所江戸百景 市中繁栄七夕祭」は願いごとを記した色紙に加え、千両箱や大福帳などが飾り付けられた葉竹が空高くはためき、江戸時代の七夕祭りの盛大さと商売の繁盛振りが窺えます。歌川貞広の作品「子供四季遊 秋」には着物の柄に桔梗やススキなどの秋草が見られ、花笠や髪飾りをつけた女の子が古くから七夕の日に踊られた「小町踊」を楽しく踊っている様子が生き生きと描かれています。

先日、長崎市内の長崎ロープウェイで「稲佐山☆七夕ウィーク」(7/1~7まで)が開催されると知り出かけました。淵神社の境内の一角にある発着駅からゴンドラ「ひこぼし号」に乗り稲佐山頂上を目指します。出発すると直ぐに天の川に見立てたブルーのイルミネーションがゴンドラの行く先に照らし出され、まるで流星群を見下ろすような感じになりました。更に、高度が上がるにつれ眼下に長崎の夜景がいっぱいに広がっていき、5分間の空中の旅はあっという間で333mの山頂に到着です。頂上は残念ながら霧に覆われていて視界はよくありませんでしたが、展望台へと導く歩道の黄色と青色に輝く電灯が霧の中に浮かび上がり幻想的でした。

今日は快晴、夜空に天の川が輝く確率が高そうです。

1278477900_img387歌川広重「名所江戸百景 市中繁栄七夕祭」

(安政3年~安政5年)

1278477900_img386歌川貞広「子供四季遊 秋」(天保弘化頃)

1278477900_CIMG9829-1長崎ロープウェイのゴンドラから見た「天の川」のイルミネーション