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「シアトル美術館所蔵 日本・東洋美術名品展」

2010-07-21

先日、福岡市美術館で開催された「シアトル美術館所蔵 日本・東洋美術名品展」に出かけました。

シアトル美術館は、7000点を越える日本・東洋美術品をコレクションしていて、これらのコレクションがアメリカ国外で一堂に展示される機会は今回が初めてとのことです。特に、日本美術に関しては日本国内にあれば国宝・重文クラスの逸品が揃っていることで有名です。

今回の展覧会の注目作品は、桃山・江戸初期における二代巨匠の俵屋宗達と本阿弥光悦のコラボレーション作品「鹿下絵和歌巻」で、シアトル美術館所蔵の後半約9mと現在諸家にコレクションされる前半部分の断簡の計22mの全面が巻き替えなしで展観できました。また、総金地に漆黒の烏の群生を描いた六曲一双の「烏図屏風」は日本美術の意匠性・装飾性の高さを存分に感じる作品でした。他に、平安時代に藤原定信が書いたと伝わる「石山切」や北斎の肉筆画「五美人図」、それに中国や韓国の陶磁器などが紹介されていました。

この展覧会は19日で終了しましたが、素晴らしい日本美術の里帰り作品の数々に触れて和の心を十分に感じることができました。

1279699020_img429-2俵屋宗達・画、本阿弥光悦・書

「鹿下絵和歌巻」(部分、1610年代)

1279699020_img431-1「烏図屏風」(部分、17世紀前半)

1279699020_img431-2葛飾北斎「五美人図」(文化年間頃)