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夏の風物詩「花火」

2010-08-04

8月1日の夜、九州で最大規模と言われる「第48回西日本大濠花火大会」へ出かけました。

毎年どの花火大会を見物しようかと考えるのも楽しみの一つですが、今年は浴衣を着て少し遠出をしました。大濠公園の池に浮かぶ中の島から打ち上げられる花火は20時から始まり、約6000発もの花火が真夏の夜空を輝かせ、色とりどりの大輪の花火と爆音の大迫力を間近に見れて興奮しました。

日本の夏の風物詩である花火大会は、八代将軍・徳川吉宗の治世に全国的に大飢饉やコレラが流行し100万人以上の死者が出たため、幕府は死者の慰霊と厄病払いをしようと1733(享保18)年5月28日の両国の川開きに合わせ花火を打ち上げたのが始まりとのです。そして、打ち上げを請け負ったのが両国橋を挟んで上流側が「玉屋」、下流側が「鍵屋」という花火師で、打ち上げる度に観客が「タマヤー」とか「カギヤー」と掛け声を上げて景気をつけていたそうです。

広重の「名所江戸百景 両国花火」を見ると、江戸時代の花火打ち上げの様子が鮮明に描かれています。橋の上や隅田川に舟を浮かべて見物する大勢の人々、夜空に光る黄金の花火から当時の賑わいや活気が伝わってくるようです。

1280899938_img186広重「名所江戸百景 両国花火」 1858(安政5)年8月