山本美術館 > ブログ > 片岡球子の「面構」

片岡球子の「面構」

2010-09-15

2008年1月に103歳で亡くなるまで、絵を描き続けた片岡球子。型破りな構成や大胆な色使いの作風は、従来の日本画の概念を揺るがすもので当初は世に受け入れられなかったそうです。しかし、1966年から制作を開始した「面構シリーズ」で高い評価を得ます。

「面構シリーズ」は歴史上の武将や浮世絵師などを描いたもので、その中の葛飾北斎を描いた「面構 葛飾北斎」は、北斎の作品の「凱風快晴」をバックに球子が想像する北斎の姿を描き、シリーズを代表する作品となっています。その他、足利尊氏や一休さん、喜多川歌麿や安藤広重などもユーモアたっぷりに独創性ある表現で描かれています。

球子は「美しく描くことが全てではない」と自分の信念を貫き通して制作を続けた結果、1989年には文化勲章を受章しました。

一度目にすると忘れられない強烈な印象を与える片岡球子の作品は、楽しく鑑賞することができます。

1284542692_img469片岡球子「面構 葛飾北斎」 二曲一双

(1971年 神奈川県立近代美術館)