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長崎くんちの「庭見せ」

2010-10-05

先日、所用で長崎市内へ出かけた時に乗ったタクシーで観光旅行客と勘違いされて、長崎くんちの「庭見せ」についてファイルされた資料を基に説明を受け、「今日は長崎くんちの本番前に、くんちで実際に使用される衣装や道具などを店先などに飾って披露する‘庭見せ’です、是非見て帰ってください」と勧められました。

タイミングよく築町と東濵町の庭見せを見ることができました。築町は、長崎市内で鮮魚店・海産物・生鮮食料などを扱った店が多く並ぶ商店街で、長崎港の警備にあたった細川藩の警備船を模した「御座船」が出し物です。船の飾りは本漆塗りと本金張りの豪華な造りでした。また、店先に飾られた衣装や道具類も鮮やかなものが多く、さらに立派な鯛や1m近くもあるカジキマグロ、特大サイズの栗饅頭や桃カステラなどが軒先いっぱいに並べられていました。

東濵町は浜の町アーケード街付近の地区で、賑やかな観光通りには長崎出身の漫画家・清水崑がデザインした竜宮船と、今回新しく加わった演出「乙姫」の衣装が展示してありました。アーケード街の店先は先に見た築町とは一転して、シックで粋な飾り付けの感じを受けました。また、絃洋会会場では今年発見された東濵町くんちの古資料が展示してあり、上野彦馬やリンガー商会の名前などを見ることができました。

思いがけず、現代人の新感覚を取り入れつつ伝統を受け継いでいる長崎の文化を体感しました。

1286267086_CIMG0544-1築町の「御座船」

1286267086_CIMG0556-1東濵町の「竜宮船」

1286267086_CIMG0548-1築町の「庭見せ」

1286267086_CIMG0561-1東濵町の「庭見せ」