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江戸のヒーロー「牛若丸」

2010-10-07

浮世絵で古典物語や故事などの中で活躍する武者の姿を描いた作品を「武者絵」と呼びますが、一般によく知られたエピソードや合戦の場面を描いた作品なども含まれます。

江戸時代、どのような武者たちが好まれ浮世絵に描かれたかというと、実在の人物としては由緒ある源氏に生まれながらも兄・頼朝に疎まれ31歳で悲劇的な最期を遂げた「牛若丸(源義経)」です。牛若丸は弁慶とのコンビで描かれることが多く、京都の五条大橋での対決シーンがお馴染みです。弁慶の荒武者ぶりに対し色白の美男子に描かれた牛若丸は、鞍馬天狗に習った武術で軽快に宙を舞っています。

牛若丸を題材とした作品は浮世絵に限らず歌舞伎や浄瑠璃等でも取り上げられ、「義経記」や「平家物語」などで親しまれていて江戸時代での人気ぶりがうかがえます。

1286434967_img480「御曹司牛若丸 武蔵坊弁慶」 歌川芳藤

弘化期(1844~1847年) くもん子供研究所蔵