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お化けも友達!

2010-10-23

江戸時代は都市の発展と共に複雑な人間関係をもたらし、その結果さまざまな怨念を生み怪奇な事件が多発しました。深い闇におおわれた江戸の夜は百鬼夜行の世界となり、「四谷怪談」や「皿屋敷」など多彩な妖怪・幽霊の物語が誕生し、絵師たちの想像力を大いに駆り立てたのです。

葛飾北斎や月岡芳年の生々しくいかにも恐ろし気な幽霊絵や妖怪画などが制作されますが、子ども向けにユーモラスな可愛いお化け(一つ目小僧、ろくろ首、河童など)も描かれ、子どもたちはたちまち友達にしてしまいました。

歌川芳虎の「新板子供遊びの内 百物がたりのまなび」には、火鉢を囲んで怪談話をする子どもたちの姿が描かれていて当時の様子が窺えます。歌川芳員の「新板化物づくし」は子ども向けのおもちゃ絵で、可愛いアイドル妖怪(女幽霊・お岩さん・河童女・化猫等)が愉快に描かれています。

子どもたちは怖いながらも、今も昔もお化けが大好きなようです。

1287825311_img022-1歌川芳虎 「新板子供遊びの内 百物がたりのまなび」

(天保期頃 くもん子ども研究所蔵)

1287825311_img019歌川芳員 「新板化物づくし」(嘉永5(1852) 年

くもん子ども研究所蔵