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風の画家 中島潔が描く「生命と無常と輝き」

2011-04-27

佐賀県立美術館で開催中の『京都・清水寺成就院奉納襖絵展 風の画家 中島潔が描く「生命と無常と輝き」』の鑑賞へ出かけました。

展覧会では、佐賀県唐津市出身の画家・中島潔(1943年~)さんが5年の歳月をかけて制作し、京都・清水寺成就院に奉納された襖絵を中心に約50点が展示してありました。

九州初公開の襖絵全46面は、「かぐや姫」「大漁」「風の故郷」という題材で描かれていて、花々や魚の大群が所狭しと重なり合い、激しい迫力とともに自然への慈しみや命の力強さを感じました。それと、子どもや女性を題材とした作品は夢や希望が表現されていて、愛おしさや優しさを感じられました。詩人・金子みすゞの詩を基に描かれた作品は、温か味のある柔和なタッチで、すべての生き物の命の大切さや儚さが表現されていました。

中島潔さんのふんわりとした印象のやさしい絵を幼い頃どこかで何度も見た記憶がありましたが、それはNHKテレビ「みんなの歌」のイメージ画でした。優美な色彩で描かれた作品からは子ども時代の思い出までが蘇ってきて、満足した展覧会のひと時でした。

1303873982_img548展覧会カタログ 表紙