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土屋光逸について

2011-05-21

当館で開催中の「土屋光逸展」は、好評のうちに展示期間も半分ほど過ぎようとしています。

土屋光逸(1870~1949年)の名は、あまり一般的には知れ渡っていませんが、大正新版画運動の中で川瀬巴水と並び風景画の分野で評価が高く人気がありました。

東京の風景や国内の景勝地などを題材に透き通った色彩で情緒豊かに描いた風景は、見ていると心がほっとするような安定感があります。また、師匠である小林清親譲りの影と光の使い方がとても巧妙で、水面に映る影や木々の陰の描写がとても美しいのも特徴です。

目に染みる美しい光逸の風景版画をより多くの方に観ていただきたいですし、今後ますます注目されていくことを願っています。

1305944070_IMG土屋光逸(1870~1949年)

1305944070_CIMG2385-1展示作品「鴛鴦」