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梅雨の最中 コナラ(小楢)

2011-06-12

今年、沖縄地方は観測史上最も早い梅雨明け宣言となりましたが、九州北部地方は現在梅雨真っ只中です。今も雨が降り続き、濃霧に煙っている愛野の丘です。

美術館句碑横に植えているブナ科の落葉広葉樹「コナラ」の木は、喫茶ルームのオープンテラス真正面にあるので、喫茶利用の皆様から注目される一番の木です。

コナラは落葉樹なのに葉の付け根に離層がないので葉が落ちず、冬の間でも葉が茶色に枯れたままいつまでも幹に留まっている特徴があります。この、冬から初春にかけての来館の方々からは、度々「あの木は枯れていますね」と言われます。開館当初は、私も枯れてしまったのではないかと心配しましたが、春になり新葉が吹き始めるのと交代して枯葉が落ちて、やがて瑞々しい緑葉がふさふさといっぱいになります。また同時に、黄褐色の小さな雄花をたくさん咲かせるので、今の時季の来館の皆様には「綺麗な木ですね」と褒めてもらえます。秋には紅葉しどんぐりのような実を付けて冬を迎えます。コナラは春夏秋冬のサイクルをお手本のように表し生きています。

今では、喫茶ルーム常連の方たちもコナラの四季の変容を知られてきて、時には私の代わりに質問者へ返答してくださる方もいて、私たちにはとても愛着が深いコナラの木です。

1307836871_CIMG3058-1喫茶ルーム前のコナラの木