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華道のお稽古「逆勝手」

2011-09-02

8月最後の華道のお稽古は、ヒマの木とすずらん、葉蘭の三種活けを逆勝手に活けて夏らしい彩りに仕上がりました。ヒマの木はアフリカ原産で、鮮やかな褐色をした茎と実、先端には大きな葉がついています。その実からはヒマシ油が作られ、皮膚病などに効能があるそうです。

池坊の活け花には、本勝手、逆勝手という左右対称の形の二つの向きがあります。陰と陽を重視する池坊では、植物に光が当たるとどの向きに成長するかを考慮し、真・副・躰を基本に本勝手、逆勝手の活け方をします。この言葉は床の間の造りも指していて、本勝手の床の間は向かって左に本床、右に床脇棚があるもので、逆勝手の床の間は反対向きというわけです。

自宅の床の間は逆勝手で、ここにも飾れるようにと何度か繰り返し練習するうちに構えることなくスムーズにできるようになりました。

床の間の造りによって茶の湯の世界では客人の座り方も異なります。日本文化の奥深さを実感しています。

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