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雨の音を聞きながら。

2011-12-09

今の時期、夜中に起きて眠りまなこで部屋のカーテンを開け窓越しにボーと美術館前の橘湾を見ると、かなり沖合に漁船の漁り火が並んで一晩中ついているときがあります。何を獲っているのかは分かりません。

海上の寒風吹き荒ぶ夜の中で、海の男たちが命をかけて働いています。春から夏の時期には比較的陸の近くで底引き漁をしていて、船のエンジンのドッ、ドッ、ドッという音が朝方まで聞こえているときがあります。そのようことを考えると眠気も覚めて、暖かい布団の中にいるわが身の幸せを思いながら、今度はなかなか寝付かれません。

一昨夜は、中学時代の同窓生のご母堂のお通夜でした。享年93歳で亡くなられたお母さんの遺影の顔は、人柄が滲み出るような上品な顔をされていました。

雨の音を聞きながら、海の男、いい顔つき、今年の「ゆうもあ大賞」のなでしこジャパンの佐々木監督、教育評論家の尾木さん、元大関魁皇、人の一生、いい顔つきにならなければ・・・等と考えていたら、またいつの間にか眠っていました。

1323382339_img617広重 六十余州名所図会「土佐 海上松魚釣」