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山形欣哉著「歴史の海を走る -中国造船技術の航跡-」

2012-02-25

山形欣哉先生の中国福建省「泉州海外交通史博物館」での貿易船調査は、2004年11月に上梓された「歴史の海を走る -中国造船技術の航跡-」(農文協発行、図説中国文化百華シリーズ016)にまとめられています。

この本には、先生がこれまで調査した遣唐使船、清明上河図の船、蒙古襲来の船、鄭和の船、細川船、朱印船、琉球船、ヨーロッパの船、唐船や台湾船等についての図や専門的な解説、復元設計図とともに、先生が描かれた海洋画がたくさん掲載されています。それら海洋画の中に、山本美術館が所蔵している「順風相送」の図が1ページを割いて掲載してあります。

また、日本海事史学会理事で最終目標を「朱印船」の復元設計とされる先生は、本のあとがきで、「中国は北の要港青島(チンタオ)に生まれ、大きくなったら「海軍さん」になることを夢見た少年が、引揚げてきたのも宮崎県南部の港町油津であった。それから半世紀、海と船が、唯、好きだということで、西洋造船技術史を経て、中国造船技術史にたどり着く。そして今、このような形で世に問うことができるのは、正に夢のようである・・・(中略)・・・この本は、海、船大好きのわたくしの人生すべてである。・・・(後略)」と述べています。

そして後日、この山形集大成本の出版はもとより、山形先生の中国造船技術史の研究等を物心両面始めさまざまな面から支え叱咤激励されてきた鹿児島のH先生より、山形欣哉海洋画に関係した保存会のメンバー各々に、山形先生サイン入りの書籍の贈呈がありました。恐縮しながらも、ありがたく感謝しています。

1330126858_img006山形欣哉著「歴史の海を走る」(農文協出版)

1330126858_img005山形先生のサイン入り