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斉藤茂吉の生誕130年

2012-09-11

年は斉藤茂吉の生誕130年です。

これを記念して、県立長崎図書館では「斉藤茂吉と長崎展」が始まっていて12月2日までの開催で、私も時間をみて覘いて見たいと思っています。

茂吉は、1917(大正6)年に長崎医専に教授として赴任しますが、やがて肺炎で吐血し入院、その後小浜や雲仙などの温泉旅館で療養しています。

この間、歌人であった茂吉は代表作とも言われている「朝あけて船より鳴れる太笛のこだまはながし竝みよろふ山」を始め、3年間の長崎生活に関連したたくさんの歌を詠んでいます。

当館には、小﨑 侃先生がこの歌をモチーフにして描かれた大型の版画作品を常設展示しています。(以前にも紹介したと思いますが。) 何艘もの船が浮かぶ長崎港を舞台に、港の手前の近景に教会や寺院が見られる長崎の街並み、港の右側には稲佐山山系とその麓にある造船所、左側に八郎岳山系に連なる町並みを置き、画の正面遠景には女神大橋、その奥に元香焼島の造船工場などを描いた構図で長崎の風情がよく表れていて、画の上部全体には茂吉のこの歌が大きく彫り込まれています。

また、隣町の小浜町夕日の広場には、茂吉が当地で詠んだ歌「ここに来て落日を見るを常とせり海の落日も忘れざるべし」の歌碑が、雲仙小浜ライオンズクラブにより建立されています。

1347334239_CIMG4631小﨑 侃制作「朝あけて船より鳴れる・・・」