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「拉致と決断」

2012-10-23

2009年8月の政権交代以降、沖縄基地問題をはじめ尖閣諸島や竹島、そして北方領土問題等について私たちの国の主権に関する問題が相次いで起こり、これらに対する政府の対応について、今の政治家たちは国を守るとか国民を守るとかということについて真剣に考えているのだろうかと思うようなことの連続で、この間、政権に対する嫌気がこの上もなく増幅してきました。

先日、帰国して10年を経過して出版された拉致被害者の蓮池薫さんの著書「拉致と決断」(新潮社発行)を入手しました。蓮池さんが北朝鮮によって拉致され、人権侵害された苦悩の24年間の中で下した数々の決断がリアルに綴られた内容に引き込まれ、一気に読み終えました。手記のあとがきの中では、「・・・拉致問題解決を推進すべき日本政府の人たちは、そういう拉致被害者たちの思いを、果たしてどれだけ感じてくれているのだろうか。そんな疑問を抱かずにいられない現状がなんとも腹立たしい限りだ。この本が、政府関係者をはじめ多くの人たちに、拉致を自分の家族の問題として改めて考えてもらうきっかけとなってくれたらと願ってやまない。・・・」と記され、拉致問題の解決が一向に進展しないことに怒りを淡々と表しています。

政府は、拉致問題を拉致被害者やその家族はもとより、日本国民のために本気になって解決すべきものと思いますが、残念ながら今日は法相兼拉致問題担当相の就任1ヶ月足らずでの辞任のニュースが流れています。

1350967054_img003「拉致と決断」(蓮池薫著 新潮社発行)