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伊東深水「ペルシャ陶器」

2012-10-27

昨日、今日と小雨日和になりました。

受付内の本棚を何気なく眺めていたら、両側を大きな本に挟まれている薄い冊子状の箱が目に付きました。何が入っているのかなと思いながら箱から取り出したところ、「ペルシャ陶器を描く 伊東深水 1961」(昭和36年7月5日 三彩社発行)という冊子で、深水が“伊東深水 ペルシャ陶器を描く個展”で展示した作品(12枚)を上質紙に焼付け印刷した作品集でした。

私が以前、深水は美人画と風景画が専門という先入観を持ちながらある書店の目録を見ていてその中で、へぇー深水はこんなものも描いているのかと見つけて手に入れたものを、すっかり忘れていました。

深水はこの個展の案内で、「ペルシャブルーの陶器や紫紺色の素朴で庶民的な親しみ深い文様、銀化した宝石のように美しい輝き。今度の個展はそうした感じを日本画の素材で表現出来ないものかと試したものなのです・・・」と述べています。

深水が描いたペルシャ陶器の原画やペルシャの実際の独創的な陶器を見ることは叶いませんが、今この作品集を見ながら両方を楽しんでいます。

1351326292_img003伊東深水「シリア緑釉黒絵鉢 十三世紀」