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雲海

2013-01-23

今朝の雲仙山系を正面にしてのジョギング中、何気なく前方に目をやると吾妻岳頂上一帯から雲海みたいな雲が垂れ込め、その一部は九千部岳の中腹にかかっていて、ちょうど中国の水墨画を見ているような光景が広がっていました。こんな風景は滅多に見られないから、帰ってからカメラに収めようと思っていましたが、雲はジョギングコースの折り返し地点まで走った10数分の間にすっかり消えてしまい残念でした。

雲海と言えば、ある年の冬の時期に先の中学生時代の仲間三家族で小浜温泉に一泊懇親会の翌日、当日の予定について相談していたら、親友の一人が「万里の長城に行ってみようか」と言い出しました。私が、万里の長城って中国だろう、今から行けるわけがないだろうと真顔で尋ねると、彼はニタニタ笑いながら「まぁ、任せとけ」と答えます。

彼が案内してくれた場所は、吾妻町の弘法原上にある“牧場の里あづま”で、確かに目の前にはミニチュアの万里の長城が築かれていました。それが竹下首相時代に各市町村へ配布された「ふるさと創生資金1億円」による事業と聞いて合点し、早速6人でミニ長城を終りの地点まで歩いてみました。かなりの長さで、真ん中付近には見晴台も設けられています。

ここからは、東側に雲仙山系の鉢巻山を直ぐ目の前に、そして西側に諫早と多良山系、南側に橘湾とその彼方に長崎方面、北側に有明海が見渡せます。2月の深々と冷え込む空気の中で、その西側の諫早と多良山系方面を眺めて雲海がかかっている中に山々の頂だけが浮かび上がっているのを見た瞬間は、皆で一緒に感嘆の声を上げていました。

親友のお陰で、身近な所にこんな物もあったのか、と知った一日でした。その後、私も友人たちが遊びに来てくれた時などに時間を見て案内したりしています。

1358926982_img005当日の牧場の里あづまから(下界は愛野町)