山本美術館 > ブログ > 40年ぶりの再会

40年ぶりの再会

2013-02-20

11日建国記念の日の午後、40年ぶりに懐かしい人が美術館を訪ねてきてくれました。

流石に40年経つと一目見てパッという訳にはいきませんでしたが、名乗りを受けて、瞬時に彼の学生時代の姿が頭に浮かんできました。

私が前職場の私立大学に就職したのと同時に家内も男子寮の管理人として勤め、次女が生まれるまでの3年4ヶ月余り、学生寮で128名の寮生たちと一緒に生活していました。私たちも22、23歳と若かった当時、時たま1階にある管理人室の4.5畳の畳部屋と台所6畳の続き間を利用して、10数名多いときには20名余りの学生たちと座れる者は座り、座れない者は立ちながら車座になって家内の特製味付けおでん等をつまみながらコミュニケーションを図っていました。

ちょうど管理人室の真上の部屋に入居していた彼が、ある日の懇談時にバターを食パンの表裏に塗ってご馳走になったら、それを見た管理人さんから、「両方に塗るとは、あなたは厚かましい。」と言われたのはよく覚えていますよ、と話してくれます。家内は「あー、そんなこと言ったの、私は覚えていないけど。○○君が一番可愛かったからねー。」などと応じています。

お父さん、奥さんと家族水入らずの小浜温泉への旅行途中に立ち寄ってくれた唐津市出身の彼は、大学卒業後、大阪の大手建設会社に就職。在職中に一級建築士の資格を取得し20数年勤めた後、家庭の都合で古里へ帰り地元企業へ再就職して2年前に定年、その後も請われて今も現役中とのことです。

彼が卒業して以来、年賀状の遣り取りだけで40年。時代劇俳優のように凛々しい顔立ちをしていておっとりした性格の持ち主で、チャンバラ映画ファンの私たちは秘かに“唐津城の長男坊”みたいと思っていた彼も、相応に年を重ねて60代。私たちも60代半ば過ぎて、いやいや懐かしさと感謝の気持ちでいっぱいになり、次の固い再会を約束したひと時でした。

1361324759_NONALNUM-696D616765A4A4唐津城(ネット写真より)