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ペコロスの母に会いに行く

2013-03-02

昨年末に姉の家へ遊びに行った時、「笑えて泣けて切なくなるからパラパラ捲ってみて」と手渡されたのが、長崎在住の漫画家・岡野雄一さんのエッセイ集「ペコロスの母に会いに行く」でした。

これは、作者の岡野さんが、認知症と診断され施設に暮らす89歳の母との日常の出来事や母の娘時代の回想シーンなどを4コマ漫画に描いたもので、昨年、西日本新聞朝刊に毎週連載され、一冊の本になり刊行されました。

老いてゆく母は徐々に認知症も進行していきますが、人間の素の部分をさらけ出し、認知症になったからこそ感じる親子の絆がユーモラスに描かれています。我が身もいつかは老います。忘れていくとはどういうことなのか、考えさせられました。

映画化も決まり、既に長崎ランタンフェスティバルの眼鏡橋での様子などが撮影されています。今秋、公開されるとのことで楽しみです。(N)

1362215771_1「ペコロスの母に会いに行く」(岡野雄一著 西日本新聞社発行)