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「ルネサンスとは何であったのか」

2008-05-18

ローマ在住の塩野七生著作「ローマ人の物語」は、ヨーロッパ文明の姿を登場するヒーローだけでなく、その時代を生きた民衆の熱気や方向性にまで掘り下げて描かれているので、ヨーロッパ人でない私たち日本人にも、文明の姿をより具体的で立体的に体感することができます。

今回ご紹介する彼女の本は、2001年に出版され先月新たに文庫版で再販された「ルネサンスとは何であったのか」です。レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロ等の世界史上有名で万能の天才たちを、綺羅星のごとく輩出したルネッサンスの本質とルネサンスを創った人々を、フィレンツェ、ローマ、ヴェネツィアの3都市を順に回り、対話形式で興味深く且つ分かりやすく説明しています。

私は、4年前にこの3都市を回る旅行をしルネサンス期の多くの芸術作品を鑑賞しましたが、この著書によって旅行で体験し吸収したことが、よりいっそう活性化されたように感じます。

塩野七生は、「見たい、知りたい、わかりたいという欲望の爆発こそがルネサンスである」と言っております。私もこれらの本質的欲望をより活発に持って生きたいと思っています。