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気分転換

2008-05-26

今日は気分転換を兼ねて長崎市内へ出かけました。

まず、長崎歴史文化博物館で開催中の「ノリタケデザイン100年の歴史」展に足を運びました。前々からオールドノリタケは好きな作品でしたが、展示されている金盛りやジュエルが施された飾壺や花瓶にうっとりし、デザイン画帖に描かれた手のこんだ文様や表現力に感嘆しながら、しばし優雅な気分に浸りました。 100年程前から日本で西洋的な文様を施し海外に輸出していた森村兄弟の手腕と、日本の洋食器の基礎を築いたノリタケデザインの変遷が良く分かる素晴らしい内容の展示でした。

その後、グラバー園下の長崎ビードロ専門店「玻璃屋(ガラスヤ)」を覘きました。ここは、私が10代の頃からのお気に入りのギャラリーで、数年前にはオリジナルのワイングラスを作って頂き、それは今では美術館の喫茶ルーム「アートサロンK」で活躍しています。

「玻璃屋」は観光地にありながら量産品のお店ではなく、一つひとつを手作りされています。店内には、当主の亡き弟さんが描かれたほのぼのとした水彩画と共にビードロ・ギヤマン・ステンドグラス等々、青に赤、ピンクに金銀彩の様々な種類のガラス製品が品良く素敵にディスプレイされてあります。

また、今日は何十本もの白いカサブランカが大きな花瓶に生けてありましたが、店内中央にはいつも欠かさず生花が生けてあるご主人の心遣いと、加えてご主人との優しいテンポの会話が気持を和ませてくれます。

お土産に、喫茶ルームで使う瑠璃色に金彩の文様が描かれた小さな器を数個買い求めました。

工芸品を鑑賞したひと時でしたが、器が素敵だと何でもない普通の食物が美味しく高級そうに映えます。普段に使うものだからこそお気に入りの器で飲食し、お腹も心も満足したいものです。

「玻璃屋」の店内