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れきぶん長崎学講座「国芳の画想」

2013-06-14

6月8日(土)、長崎歴史文化博物館で開催されたながさき県民大学講座「国芳の画想」を受講しました。

講師は、今日から同館で開催中の「歌川国芳展」を監修した浮世絵研究家の岩切友里子さんです。先生は浮世絵関係の著書をたくさん出版されている方なので、今回の講座は早くから楽しみにしておりました。

講義は、国芳の師匠である歌川豊国や勝川春亭、同世代に活躍した広重などの作品と比較して解説がありました。大判三枚続きの構図の取り方や、力感や動感のある描写は魔法の杖を使ったように生き生きとしていて、また蘭書を参考に描いた洋風の風景版画は雲や空の大気までが感じられるほどの高い表現力で、このような面が他の絵師と圧倒的に違うところだとの説明です。

また、国芳は色々な資料を参考にして吸収し、更に独自の研究を重ねてデザインを生み出していて、今の時代に見ても新しく感じる、また今のグラフィックデザインに比べても劣っていない、むしろ真似のできない独創性があると説かれました。

国芳の作品には奇抜で面白くて楽しいものが多く、これらについて解説された一時間半の講座は大変楽しく聴き足りないくらいでした。(N)

1371171626_1005国芳「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」