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小崎侃展 島原半島を彫る~島原半島の光を描く美術展~

2013-06-22

島原半島世界ジオパーク巡回展「小﨑侃展 島原半島を彫る~島原半島の光を描く美術展~」が、最終会場である長崎市浜の町の石丸文行堂で6月11日から16日の期間開催され、ちょうど中日に伺いました。

会場にはタイミングよく侃先生ご夫妻もお越しで、先生に作品の解説をしていただきながら鑑賞しました。大きく目につく会場入り口に置かれた8曲一隻の大屏風「謎の南蛮絵師山田右衛門作を描く」は、三万人もの方が亡くなったと言われる島原の乱での唯一の生存者・山田右衛門作を題材に描いたもので、矢を射る右衛門作や天草四郎などが墨絵で躍動感たっぷりに描かれていました。また、版画の「雲仙地獄殉教図」は、1669年にオランダで描かれた銅版画「アトラス・ジャパネンシス」をモチーフに描いたもので、キリシタン弾圧の厳しさがひしひしと伝わってきます。

また、島原半島を題材に西岡水朗、高浜虚子、野口雨情などが詠んだ詩や句を用いた色彩豊かな版画や、それに雲仙市の「千々石断層」や南島原市の「龍石海岸」、島原市の「湧水郡」など島原半島を網羅した計10隻もの大きな屏風絵と版画作品が並んでいて、今回の展覧会で初めて見る作品もあり、いずれの作品からも力強さが感じられる展覧会でした。(N)

1371872983_KC3O0013小﨑侃「謎の南蛮絵師山田右衛門作を描く」

1371872983_KC3O0006西岡水朗、高浜虚子、野口雨情などの句をモチーフにした作品